「ネットショップを始めたいけれど、Shopify・BASE・STORESのどれを選べばいいのか分からない」。独立してから、EC事業者の方に最も多くいただく相談のひとつです。比較記事はたくさんありますが、その多くは料金とデザインの話で終わっています。
先に言うと、私の答えは「広告費をかけずに検索で売りたいなら、カートは“SEOのやりやすさ”で選ぶ」です。私は前職で17年、自社EC(D2C)の事業運営に関わり、最終的に執行役員として広告費ゼロ・自然検索のみで年商1〜2億円の自社ECを回しました。主要キーワードでは約10年1位を守りました(2位は日本の時価総額1位企業の公式、3位はAmazon)。
その経験から言えるのは、検索で勝つ施策の多くは「サイトの中身を自分で触れること」が前提だということです。ページの住所(URL)、検索結果に出るタイトル、商品情報を検索エンジンに伝える仕組み。これらをカート側がどこまで触らせてくれるかで、打てる手が決まります。
この記事では、3つのカートを2026年9月時点の公式情報で比べ、月商別のコスト試算と、BASEからShopifyへ乗り換える目安まで整理します。楽天・Amazonなどモール内での売り方は扱いません(モールからの移行は脱モールの手順と判断基準で解説しています)。現在は神戸・芦屋でSEOコンサル「雅〜WEB〜」を運営しています(支援実績:miyabi-web.jp/production/)。
※本記事には広告(アフィリエイト)リンクが含まれます。料金・特典は変動するため、申込前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。
この記事でわかる4つのこと
- Shopify・BASE・STORESの料金(月額・決済手数料)と月商別の実質コスト
- 他の比較記事にない「SEOのやりやすさ」5項目での独自比較
- 規模と検索集客への本気度で決める3カートの使い分け
- BASE→Shopify乗り換えの目安と、移行で検索順位を落とさない準備
カートは「売り場」であると同時に、検索エンジンに向けた「看板」でもあります。料金の差は月に数千円ですが、検索で打てる手の差は、数年後の売上の差になります。だから私は、最初の一歩は小さく始め、検索の土台(自分のドメイン)だけは最初から自分の手に持っておくことをすすめています。
D2Cカート比較の結論|規模とSEO本気度で選ぶ3カートの使い分け早見表

結論から書きます。「今の月商」と「検索集客にどこまで本気で取り組むか」の2軸で選ぶと、迷いが消えます。
| カート | 向いている人 | 月額(2026年9月時点) | SEOの自由度 | 公式 |
|---|---|---|---|---|
| BASE | まず固定費ゼロで試したい。月商が読めない立ち上げ期 | スタンダード0円/グロース月16,580円〜(税込・年払い時) | 基本は押さえられるが、触れる範囲は限られる | 見る |
| STORES | 実店舗の決済・予約・POSとまとめて管理したい | フリー0円/スタンダード月3,300円(税込・年契約時) | 商品ごとの基本設定は可能。詳細仕様は要確認 | 公式サイト |
| Shopify | 検索集客に本気で投資する。月商が伸びてきた本格D2C | Basic 月3,650円(年払い)/4,850円(月払い) | 3つの中で最も高い。テーマのコードまで触れる | 公式サイト |
料金はいずれも各社公式サイトの表示額です(2026年9月時点・公式参照推奨)。規模別に言い換えると、次の通りです。
- これから始める・月商がまだ読めない:BASE。売れなければ月額費用はかからない
- 実店舗があり、対面決済や予約もまとめたい:STORES。お店全体の道具として選ぶ
- 月商が伸び、検索で本格的に勝ちにいく:Shopify。触れる範囲の広さがそのまま武器になる
ここで大事なのは、「最初の選択が一生の選択ではない」ことです。私がおすすめしている流れは「BASEで始めて、伸びたらShopifyへ」。ただし、この流れで検索の評価を無駄にしないための準備が1つだけあります。H2-8で詳しく書きます。
- カートは「今の月商」と「検索集客への本気度」の2軸で選ぶ
- 立ち上げ期はBASE、実店舗と一体運用ならSTORES、検索で本格的に勝つならShopify
- 最初の選択は変えられる。変えるときに検索の評価を失わない準備が大事
D2Cカートは「SEOのやりやすさ」で選ぶべき理由|広告費ゼロ集客の前提

自社ECは、開いただけでは誰も来ません。モールと違い、お客様を連れてくる仕組みを自分で持つ必要があります。その手段は、大きく分けて広告・SNS・検索の3つです。
経済産業省の調査では、2024年の国内BtoC-EC(消費者向けネット販売)市場は26.1兆円、物販分野は15兆2,194億円、物販のEC化率は9.78%でした(経済産業省 令和6年度電子商取引に関する市場調査・2025年8月26日発表。2026年9月の確認時点で参照できた最新版ですが、公開から1年以上経っているため古い可能性があります)。市場は大きい一方で、売り手も増え続けています。
広告は止めた瞬間に来客が止まる。検索は積み上がる
広告は即効性がありますが、予算を止めると来客も止まります。検索は育つまで時間がかかる代わりに、一度上位に定着したページは広告費なしでお客様を連れてきてくれます。私が前職で広告費ゼロのまま年商1〜2億円を回せたのは、この「積み上がる集客」を10年続けたからです(詳しくは自社ECが検索でAmazonに勝てた理由に書きました)。
検索で効いた施策は、どれも「サイトを自分で触れる」前提だった
振り返ると、前職で順位を守るために続けた作業は、次のようなものでした。
- ページの住所(URL)を変えない:評価が積み上がったページを、リニューアルで失わない
- 検索結果に出るタイトルと説明文を直す:表示されているのに押されない言葉を毎月見直す
- 読み物から商品ページへリンクを張る:「知りたい人」を売り場まで案内する
- お客様の質問を記事にして足し続ける:ブログのような読み物の置き場が必要
どれも特別な技術ではありません。ただし、カート側が「そこは触れません」と言えば、その施策は打てません。料金の差は後から取り返せますが、打てない施策は取り返せない。これが、私がカートを「SEOのやりやすさ」で選ぶべきだと考える理由です。
- 広告は止めると来客が止まる。検索は時間がかかる代わりに積み上がる
- 検索で効く施策は、URL・タイトル・内部リンク・読み物を自分で触れることが前提
- 料金差は取り返せるが、カートの制約で打てない施策は取り返せない
Shopify・BASE・STORESの料金比較|月額・決済手数料・実質コストを月商別に試算

まず、各社公式サイトに掲載されている料金を並べます(2026年9月時点・公式参照推奨)。
| カート・プラン | 月額 | 決済手数料など(国内クレジットカード) |
|---|---|---|
| BASE スタンダード | 0円 | 決済手数料3.6%+40円/件、サービス利用料3% |
| BASE グロース | 月払い19,980円/年払い198,960円(月あたり16,580円)※税込 | 決済手数料2.9%、サービス利用料0円 |
| STORES フリー | 0円 | 5.5%〜 |
| STORES スタンダード | 年契約3,300円/月契約3,960円 ※税込 | 3.6%〜 |
| Shopify Basic | 年払い3,650円/月払い4,850円 | 3.55%(Shopify以外の決済サービス利用時は取引手数料2%が別途) |
出典:BASE 料金プラン/STORES ネットショップ 利用料金・手数料/Shopify 料金プラン(いずれも2026年9月17日取得)。Shopifyの料金ページには税込・税抜の明記がありませんでした。BASEはPayPay・Amazon Pay・PayPal利用時に決済手数料が1%加算、STORESはPayPalやキャリア決済などで高い料率(フリー6.5%/スタンダード4.6%)が適用されます。
月商別の実質コスト試算(月額+決済手数料)
上の料金をもとに、私が試算しました。条件は「客単価5,000円・全件国内クレジットカード決済・年払い/年契約の料金」です。振込手数料、アプリやテーマの費用、送料は含みません。
| 月商(注文数) | BASE スタンダード | BASE グロース | STORES フリー | STORES スタンダード | Shopify Basic |
|---|---|---|---|---|---|
| 10万円(20件) | 7,400円 | 19,480円 | 5,500円 | 6,900円 | 7,200円 |
| 30万円(60件) | 22,200円 | 25,280円 | 16,500円 | 14,100円 | 14,300円 |
| 50万円(100件) | 37,000円 | 31,080円 | 27,500円 | 21,300円 | 21,400円 |
| 100万円(200件) | 74,000円 | 45,580円 | 55,000円 | 39,300円 | 39,150円 |
この試算から、次の3つが読み取れます。
- 手数料だけなら、BASEは最安ではない:月商10万円の時点で、STORESフリーやShopifyのほうが安い
- BASEのスタンダードとグロースの損益分岐は、この条件で月商約37万円:それを超えるならグロースを検討する価値がある
- 月商30万円を超えると、STORESスタンダードとShopifyがほぼ横並びで安くなる
それでも私が立ち上げ期にBASEをすすめるのは、「売れなければ1円もかからない」安心感で、まず始められるからです。売れるかどうか分からない段階で、毎月の固定費を払い続けるのは精神的にも負担になります。一方で、Shopifyは月額以外にアプリ代がかかることが多く、表の数字だけで判断すると見誤ります。
- 手数料だけならBASEは最安ではない。月商10万円でもSTORESやShopifyのほうが安い
- BASEスタンダードとグロースの分岐は、客単価5,000円の条件で月商約37万円
- それでも立ち上げ期は「売れなければ0円」の気軽さに価値がある
Shopifyの特徴と料金プラン|本格D2C・拡張性最強

Shopifyは、世界中で使われている本格的なネットショップの仕組みです。3つの中で「自分で触れる範囲」が最も広いのが特徴です。
料金プラン(2026年9月時点)
| プラン | 年払い(月あたり) | 月払い | 国内カード手数料 |
|---|---|---|---|
| Basic | 3,650円 | 4,850円 | 3.55% |
| Grow | 10,100円 | 13,500円 | 3.4% |
| Advanced | 44,000円 | 58,500円 | 3.25% |
公式料金ページでは、最初の3日間無料、その後3か月間は月額150円で使える案内が出ていました(2026年9月時点・内容は変わるため公式参照推奨)。
強み
- テーマ(デザインのひな形)のコードまで編集できる:表示の細部まで自分で決められる
- ブログ機能が最初から付いている:読み物と商品ページを同じドメインで育てられる
- アプリで機能を足せる:定期購入やレビューなど、事業の成長に合わせて拡張できる
- 自分のドメインをそのまま使える:検索の評価を自分の資産として積み上げられる
弱み・注意点
- 自由度が高いぶん、設定に時間がかかる:「開けばすぐ売れる」状態にはならない
- アプリを足すほど月額が増え、表示も重くなりやすい:私の経験則として、入れる前に「本当に要るか」を1つずつ確認するのが安全です
- 商品ページの住所は「/products/」から始まる形が固定:この部分は変えられない(詳細はH2-7)
Shopifyは「使いこなせる人がいれば最強、いなければ持て余す」カートです。社内に運用できる人がいるか、外部に相談できる先があるかで判断してください。
- Shopify Basicは年払い月3,650円・国内カード3.55%(2026年9月時点)
- コード編集・ブログ・独自ドメインまで揃い、検索で勝つための道具が最も多い
- その自由度は「運用できる人」がいて初めて生きる。アプリの足しすぎに注意
BASEの特徴と料金プラン|月額0円で今日始められる

BASEは、月額0円・メールアドレスだけで今日から始められるネットショップです。売れたときだけ手数料がかかる仕組みなので、「まず試したい」段階の事業者に向いています。
2つのプランの違い
| 項目 | スタンダード | グロース |
|---|---|---|
| 月額 | 0円 | 月払い19,980円/年払い月あたり16,580円(税込) |
| 決済手数料 | 3.6%+40円 | 2.9% |
| サービス利用料 | 3% | 0円 |
| 向いている月商 | 立ち上げ期〜月商30万円台(H2-3の試算条件) | 月商約37万円を超えてから検討 |
出典:BASE 料金プラン(2026年9月17日取得・公式参照推奨)
検索集客の視点で見たBASEの良いところ
- ブログ App(無料)で読み物を置ける:記事から商品ページへリンクも張れる
- SEO設定 App(無料)でページ説明を入れられる:トップ・ABOUT・各商品ページが対象(BASE Apps SEO設定)
- 独自ドメイン App(無料)で自分のドメインを使える:ただし「shop.example.com」のようなサブドメインのみ対応(BASE Apps 独自ドメイン・2026年9月17日確認)
一方で、商品ページの住所は「/items/」のあとに自動で振られる番号になり、好きな英単語にはできません。検索結果に出るタイトルの細かい調整やコード編集もShopifyほど自由ではありません。つまりBASEは、「検索集客の基本を無料で練習できる場所」と考えるとちょうどいいカートです。
審査の流れや実際の管理画面、売れるまでの運用はBASE(ベイス)評判・レビュー|無料ネットショップは本当に稼げるかで詳しく書いています。
BASE(ベイス)
月額0円・売れたときだけ手数料。ブログやSEO設定も無料のAppで足せるので、検索集客の練習台として始めやすいカートです。
- BASEスタンダードは月額0円。決済手数料3.6%+40円とサービス利用料3%がかかる
- ブログ・SEO設定・独自ドメインは無料Appで追加できる(独自ドメインはサブドメインのみ)
- 商品URLは自動採番で、細かいSEO調整は苦手。検索集客の練習台として使う
STORESの特徴と料金プラン|2026年プラン統合後の姿

STORESは2026年3月24日に料金体系を見直し、ネットショップ・キャッシュレス決済・POSレジ・予約など複数のサービスを1つのプランで使える形に統合しました(STORES株式会社のお知らせ・2026年3月26日発表)。
ネットショップの料金(2026年9月時点)
| 項目 | フリープラン | スタンダードプラン |
|---|---|---|
| 月額(税込) | 0円 | 年契約3,300円/月契約3,960円 |
| オンライン決済手数料 | 5.5%〜 | 3.6%〜 |
| PayPal・キャリア決済など | 6.5% | 4.6% |
| 独自ドメイン | 使えない | 使える |
出典:STORES ネットショップ 利用料金・手数料/STORES Magazine サービス料金まとめ(2026年9月3日更新・2026年9月17日取得)。独自ドメインがスタンダードプランの機能であることも同記事で確認しました。
STORESが向いている人・向いていない人
- 向いている:実店舗や教室があり、対面決済・予約・ネット販売をまとめて管理したい
- 向いている:月商が30万円を超え、月額を払ってでも手数料を下げたい(H2-3の試算参照)
- 慎重に検討:検索集客を主軸にしたい。フリープランは独自ドメインが使えず、検索の評価を自分のドメインに貯められない
STORESは、管理画面から商品タイトル・URL・ページ説明を設定できると公式マガジンで案内されています(STORES Magazine 商品ページの書き方とSEO対策・2026年6月9日更新)。一方、読み物を置くブログ機能の有無と、商品情報を検索エンジンに伝える構造化データの出力状況は、公式の記載を見つけられませんでした。※実値で要差し替え(公式参照不可だったため要オーナー確認)
- STORESは2026年3月にプランを統合。ネット販売・決済・POS・予約を1つで使える
- フリーは月額0円・手数料5.5%〜、スタンダードは年契約月3,300円・3.6%〜
- 独自ドメインはスタンダードのみ。検索集客を狙うならフリーのままでは弱い
「うちの商品と規模なら、どのカートがいいか」を一緒に整理します
扱う商品・客単価・今の月商・検索集客にかけられる時間を伺い、どのカートで始めるか、将来の乗り換えに備えて最初に何を決めておくべきかを整理します。売上や順位の保証はしませんが、判断の根拠は具体的にお伝えします。
EC集客の無料相談はこちら →【独自比較】ECカートのSEO自由度|URL構造・構造化データ・表示速度・ブログ機能

ここがこの記事の本題です。検索集客の実務で私が確認する5つの観点で、3つのカートを比べました。確認できたのは各社の公式ヘルプ・公式開発者ドキュメント・公式Appページに書かれていることだけで、書かれていない項目は「未確認」としています。
| 観点 | Shopify | BASE | STORES |
|---|---|---|---|
| ①URL構造 | 「/products/」以降は英数字で編集可。「/products/」自体は固定 | 「/items/」+自動採番の番号 | 管理画面でURLを設定可(固定部分は未確認) |
| ②構造化データ | テーマで商品情報を出力する仕組みを公式に用意 | 公式の記載を確認できず | 公式の記載を確認できず |
| ③表示速度 | テーマとアプリ次第で大きく変わる | テーマとAppの数に左右される | テーマに左右される |
| ④ブログ機能 | 標準で搭載 | ブログ App(無料)で追加 | 公式の記載を確認できず |
| ⑤タイトル・説明文・細部の編集 | ページタイトル・説明文・URLハンドルを編集可。robots.txtも編集可 | SEO設定 Appでページ説明とキーワードを設定可 | 商品タイトル・URL・ページ説明を設定可 |
出典:Shopify ヘルプセンター SEO/Shopify robots.txtの編集/Shopify.dev structured_data/BASE Apps SEO設定/STORES Magazine(いずれも2026年9月17日確認)
①URL構造:「住所を自分で決められるか」
URLは、ページの住所です。住所に商品を表す言葉が入っていれば、人にも検索エンジンにも内容が伝わりやすくなります。Shopifyは「/products/」のあとを英数字で決められますが、「/products/」「/collections/」の部分は固定です。BASEは番号で、自分では決められません。私の経験則として、URLの見た目そのものが順位を大きく左右した実感はありません。本当に大事なのは「一度決めた住所を変えないこと」です。
②構造化データ:「商品情報を検索エンジンに正確に渡せるか」
構造化データとは、商品名・価格・在庫などを検索エンジンが読み取りやすい決まった形で書き添える仕組みです。Shopifyは開発者向けの公式ドキュメントで、テーマから商品情報をこの形で出力する方法を公開しています。BASEとSTORESは、出力の有無を公式情報で確認できませんでした。気になる方は、自分の商品ページをGoogleの「リッチリザルト テスト」にかけると確認できます。
③表示速度:「カートより、足した部品で決まる」
表示速度は、3つのカートを同じ条件で測った公式データがないため、カート名だけで優劣はつけません。どのカートでも、重くなる原因はだいたい同じです。
- 画像が大きすぎる:スマホで見るなら、横幅は画面に合う大きさで十分
- アプリや外部の仕組みを足しすぎる:1つ足すたびに読み込む部品が増える
- トップページに動画やスライドを詰め込む:最初の表示が遅くなる
自分のショップの速度は、Googleの「PageSpeed Insights」にURLを入れると無料で測れます。速度の考え方は表示速度の改善方法|Core Web Vitals対策でも解説しています(WordPress向けですが、画像と部品の考え方は共通です)。
④ブログ機能:「知りたい人」を集める置き場があるか
ECの検索集客で、私が最も差がつくと考えているのがここです。商品名で検索する「買いたい人」は大手と取り合いになりますが、その手前の「使い方」「選び方」を調べる人は、読み物で集められます。Shopifyは標準搭載、BASEは無料Appで追加できます。
見落としがちな6つ目:検索の評価を「自分のドメイン」に貯められるか
5つの観点より大事かもしれないのが、独自ドメインです。「○○.base.shop」のようなカート会社のドメインで育てた評価は、乗り換えるときに持ち出しにくくなります。自分のドメインで始めておけば、カートを変えても住所の「持ち主」は自分のままです。
- Shopify:自分のドメインを接続できる
- BASE:独自ドメイン App(無料)で、サブドメイン(shop.example.com など)のみ対応
- STORES:スタンダードプランで利用可能
ドメインは年単位で払い続けるものなので、取得料金だけでなく更新料も確認してから選んでください。国内大手の料金や更新・移管の実際はお名前.com 評判・レビューにまとめています。ロリポップ!などGMOペパボのサービスとまとめて管理したい方はムームードメインも選択肢です。
お名前.com(独自ドメイン取得)
カートを乗り換えても検索の評価を手元に残すための「自分の住所」。取得前に更新料もあわせて確認できます。
- SEO自由度はShopifyが最も高い。BASE・STORESは基本設定までと考える
- URLの見た目より「一度決めた住所を変えないこと」と「読み物の置き場」が効く
- 最重要は独自ドメイン。カートを変えても検索の評価を自分の手元に残せる
BASEからShopifyへの乗り換え時期の目安|移行のしやすさと月商ライン

BASE スタンダード
月額0円で気軽に運営。ただし月商が伸びるほど手数料が重くなり、SEOで打てる手も限られてくる。
Shopify Basic
月額はかかるが、H2-3の試算条件なら月商30万円で月約7,900円の負担減。コード・ブログ・構造化データまで自分で触れる。
乗り換えを考えるべき3つのサイン
「月商○万円になったら乗り換え」と一律には言えません。私は次の3つのうち2つ以上が当てはまったら、検討を始めることをおすすめしています。
- 月商が30万円を超え、しばらく続いている:H2-3の試算では、BASEスタンダードとShopify Basicの差が月約7,900円に広がる
- 検索でやりたい施策が、BASEの制約で打てない:タイトルの細かい調整、構造化データ、読み物の作り込みなど
- 運用に時間を使える人がいる:Shopifyは設定と保守に手がかかる。人がいないなら乗り換えは早い
なお、手数料だけの問題なら、乗り換えずにBASEグロースへ切り替える手もあります。同じ試算条件では月商約37万円が分岐点です。移行作業がいらないぶん、手間は最小です。
移行で検索順位を落とさないための準備
カートを変えると、ほぼ確実に商品ページの住所が変わります。BASEの「/items/番号」は、Shopifyでは「/products/英数字」になるからです。古い住所で積み上げた評価を新しい住所へ引き継ぐには、「古い住所に来た人を新しい住所へ自動で案内する設定(リダイレクト)」が必要です。
- 最初から独自ドメインでBASEを始めておく:ドメインが自分のものなら、移行後も同じドメインをShopifyにつなげられる
- 移行前に、全商品の古いURLと新しいURLの対応表を作る:抜けがあると、その商品の評価は引き継げない
- Shopifyの管理画面で古いURLから新しいURLへのリダイレクトを登録する:Shopifyは標準プランで最大10万件まで登録でき、住所が存在しない(404の)URLに対して機能する(Shopify Help Center URL redirects・2026年9月17日確認)
- 移行後1〜2か月は、GSC(Google Search Console=検索結果での順位や流入を確認できる無料ツール)で表示回数とエラーを毎週確認する
逆に、BASEの初期ドメイン(○○.base.shop)で育てた場合、そのドメインはBASEの持ち物です。移行後に古いURLから新しいURLへ自分で案内を設定する方法は、私が確認した範囲ではBASEの公式ヘルプに記載がありませんでした。「将来乗り換えるかもしれない」と少しでも思うなら、独自ドメインは最初に取っておく。これが、この記事でいちばん伝えたいことです。移行後に順位が戻らないときの確認手順は検索順位が上がらない15の原因と対策チェックリストが参考になります。
- 「月商30万円超が続く」「BASEで施策が打てない」「運用できる人がいる」のうち2つで検討
- 手数料だけが理由なら、乗り換えずにBASEグロース(分岐は約37万円)という手もある
- 評価を引き継ぐ鍵は、独自ドメインとURL対応表とリダイレクト設定
D2Cカート選びのよくある質問|無料プランの限界・独自ドメイン・モールとの併用

Q1. 無料プランのままでも検索から売れますか?
売れる可能性はあります。検索で評価されるのは、カートの料金ではなくページの中身だからです。ただし、無料プランは手数料が高めで、STORESフリーは独自ドメインが使えません。「始めるのは無料、検索の土台(ドメイン)は最初から自分のもの」が、私のおすすめする組み合わせです。
Q2. 独自ドメインは本当に必要ですか?
検索集客を続けるつもりなら、必要だと考えています。理由はH2-8の通り、カートを変えても評価を持ち出せるからです。名刺やチラシに載せるURLが変わらない、という実務上の利点もあります。
Q3. 楽天やAmazonと併用してもいいですか?
併用は問題ありません。ただしこの記事は自社ECの話に絞っているため、モール側の売り方は扱いません。モールの売上に頼りすぎている状態から、自社ECへ比重を移す手順は楽天・Amazon依存から自社EC(D2C)へ|脱モールの手順と判断基準で解説しています。
Q4. すでにホームページがあります。ネットショップは別に作るべきですか?
ホームページと同じドメインの下にショップを置くと、評価をまとめやすくなります。BASEならサブドメイン(shop.example.com など)で運用できます。ホームページ側の作り方は個人事業主のホームページ自作 完全ガイド、作成サービスの比較はホームページ作成サービス比較 2026を参考にしてください。
Q5. カートを決めたら、次に何をすればいいですか?
お客様からよく聞かれる質問を20個書き出してください。それが最初に書く読み物のテーマになります。ECサイト全体の検索集客の進め方はECサイトのSEO対策 完全ガイド 2026に手順としてまとめています。
- 無料プランでも検索から売れる。評価されるのは料金ではなくページの中身
- 独自ドメインは、カートを変えても評価と名刺のURLを守る保険
- カートを決めたら、お客様の質問20個の書き出しから始める
用語集|この記事に出てきた言葉
- D2C
- メーカーやブランドが、モールを通さず自社サイトで直接お客様に販売する形態。
- カート(ECカート)
- ネットショップを作り、注文・決済・在庫を管理するためのサービス。Shopify・BASE・STORESなど。
- 決済手数料
- お客様がカードなどで支払ったときに、売上から差し引かれる手数料。
- 独自ドメイン
- 「example.com」のように、自分で取得して持つサイトの住所。
- サブドメイン
- 独自ドメインの前に文字を付けた住所。「shop.example.com」など。
- URL
- ページの住所。
- 構造化データ
- 商品名・価格・在庫などを、検索エンジンが読み取りやすい決まった形で書き添える仕組み。
- リダイレクト
- 古い住所に来た人や検索エンジンを、新しい住所へ自動で案内する設定。
- robots.txt
- 検索エンジンに「このページは見に来なくてよい」などを伝えるためのファイル。
- Core Web Vitals
- Googleがページの表示速度や操作のしやすさを測る指標。
- GSC
- Google Search Console。検索結果での順位や流入を確認できる無料ツール。
- SEO
- 検索結果で上位に表示され、お客様に見つけてもらうための取り組み。
まとめ|迷ったらBASEで始めて検索集客の土台を作る

最後に、この記事の内容を行動の順番でまとめます。
- 独自ドメインを取る:カートを変えても検索の評価を残すため
- BASEでショップを開き、独自ドメイン Appでつなぐ:固定費ゼロで始める
- ブログ AppとSEO設定 Appを入れる:読み物の置き場とページ説明を用意する
- お客様の質問をもとに、読み物を月2〜4本書く:私の経験則として、続けられる本数に絞るほうが長続きします
- 月商30万円超が続き、BASEで打てない施策が出てきたらShopifyを検討する
3つにまとめると、①料金は月商で比べる、②SEOの自由度は「打てる施策の数」で比べる、③どのカートでも土台(独自ドメイン)は自分で持つです。これを1つの原則に畳むと、「カートは借り物、検索の評価は自分の資産」。借り物は替えられますが、資産は自分の手元に置いておく必要があります。
BASEの使い勝手や審査、実際に売れるまでの運用はBASE(ベイス)評判・レビューで詳しく解説しています。
迷ったらこれ:BASE(ベイス)
月額0円で今日から開店できます。売れるかどうか分からない段階は、固定費を持たずに始めるのがいちばん安全です。
- 立ち上げ期はBASEで固定費ゼロ。独自ドメインだけは最初に取る
- 月商30万円超が続き、施策が打てなくなったらShopifyを検討する
- カートは借り物、検索の評価は自分の資産
「どのカートで、何から始めるか」
検索集客の土台づくりから一緒に考えます
広告費ゼロ・自然検索のみで年商1〜2億円の自社ECを運営した経験をもとに、扱う商品と規模に合うカート選び、独自ドメインの準備、最初に書くべき読み物のテーマまで整理します。売上や順位の保証はしませんが、判断の根拠は具体的にお伝えします。相談は無料です。
EC集客の無料相談はこちら(develop-life.com/contact/)→